冬の公園
近所の公園は冬になるとたくさんの鳥でにぎわう。
にぎわう鳥のかわりに寒さで人は少なめだ。
でも、小さい子供はすごく元気で
きゃあきゃあ言いながら走り回っている。
鳥にエサを投げて、エサに群がる鳥たちに向かって
どうだとばかりの顔をして、その権勢をほしいままにしている。
私はすっかり肩を落として、ぼんやりそれを見ている。
気が付いたら、数羽の鳩が近づいてくる。
私にエサをもらいにきたのだろう。
私はエサは持ってないので、役立たずで申し訳ない。
そう思ったとき、「ベンチとコーヒー」の歌詞を思い出して
今、気持ちも状況もまったく同じで笑ってしまった。
笑うと涙が出てきた。
コーヒー持ってきてくれるオマエがいるだけいいよ。
人と付き合うことをしんどいと思ってしまう私が
行けるところはどこだろう。
自分に正直に生きなくても一人なら
正直に生きて一人でもいいんじゃないの?と思う。
でも、正直に生きるなんてできないんだよなぁ。
それもまた傷つくことが多いだろうから。
公園の枯れた蓮を見てなんだか自分もこんな感じだなと
思ってしまった。
気を取り直してコーヒーを飲みに行ったら
あまりおいしくなかった。
「そんな日でも愛せ」と言ってもいいのは、
少し元気を取り戻したときの自分だけだよなと思う。