空気の記憶

日々の心象写真です

そのまま生きる

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「かぐや姫の物語」を観てきた。

 

高畑勲監督のアニメーションというか(動き)は

昔から自分の脳が喜ぶ。

例)アルプスの少女ハイジ赤毛のアンのOP

 

だからストーリーより動きを観にいったという方が正しい。

人や動物の動きとか風の感じ、植物の揺らぐ様が素晴らしかった。

とくに女童(パタリロw)はすごくかわいかった。

重力と浮力がいい塩梅なので自然に見えるんだと思う。

色彩も線もよかった。音もよかった。

月からのお迎えの「来迎っぽさ」や、「この世のものでない感じ」は秀逸。

 

一方ストーリーは・・・。言いたいことはわかるのだけど、

私の思うかぐや姫像とは違うし、何かとても過剰な感じがした。

ある意味とてもジブリらしい作品。

 

思想面では賛同できないところがある。これは昔から。

「そのままで生きたい」というのは同意できるのだけど、

権力や欲におぼれて生きるのも、それもまた

「そのまま生きる」ってことだと思う。

それで失敗することも多いのは確かだけど・・・。

 

過剰にそのままで生きたいというのも不自然な気がするんですよ。

過剰なナチュラリストに感じる不自然さ・・みたいな。

私は「そのままでない私」も受け入れたい。

不浄な欲まみれの自分も受け入れたい。

「弱い自分」の正当化ですけどね。

 

そして 自然 対 文明 なら、

今シーズンのリーガルハイ第8話の方がよっぽど秀逸だなと思うのでした。